D2Cブランドは、最初から国内のマーケットだけでなく、グローバルに展開をすることができます。ある程度ブランドが育つまでは厳しかったグローバル展開も、このオンライン社会ではいとも簡単に育つ前から展開、勝負をかけることができてしまうのです。
D2Cブランドのターゲットは最初から世界にしよう。
D2Cでブランドビジネスをやっていくなら、最初からグローバルに世界を視野にしないともったいないです。別に世界展開を含めて最初から全て設計しなくてもよくて、ゆくゆくは海外でも通用するD2Cブランドにしたいという考えでも大丈夫です。
いずれにしても国内のマーケットだけに最適化して開発しないようにすれば良いわけです。国内の市場だけにしか通用しない商品なのか、海外の市場でも最終的に戦っていけるような商品なのかによって、今後のビジネスの広がりが全く異なりますし、後者を前提として開発するデメリットはありませんよね。
D2Cは直接顧客へと販売などを通じて繋がることができるビジネスモデル。中間業者を挟んでいくことや、そもそも直接顧客に向けたサービスではないケースもあるB2BやB2Cと違い、D2Cは必ず顧客(ユーザー)に直接商品やサービスを届けるモデルですから、このグローバルな情報化社会においては国内に留まらず、世界中の人に向けて展開がしやすいモデルなのです。
ですから、ブランドのターゲットは世界を前提として考え、商品やサービスを開発するようにしましょう。
名前やロゴなどの設計もグローバル対応に
ブランド名やロゴなどもグローバルを視野に入れて設計をしておくと、その後の展開もしやすくなると思います。僕自身、ブランド名やロゴの設計にはこれまでもそういう視点を必ず取り入れて設計してきました。
例えば、海外の方でも発音しやすいか。海外の方にも魅力に感じてもらえるロゴ(シンボル)となっているか。などです。
このあたりは後から海外向けにリブランディングしたり、そもそも別ブランド名で展開したりと後付けの方法もあります。
しかしなるべくシンプルな方が結局は運営もしやすくなりますから、最初からグローバルに適したブランド設計を前提として行った方が良いでしょう。
オンラインで簡単にグローバル展開
ひと昔前(まだオンラインが普及したてくらい)であれば、D2Cでグローバル展開なんて夢の世界でしたが、今はむしろ逆です。誰もが簡単にグローバルにビジネスを行える時代になりました。
少し前でも、グローバルに展開するとなると例えば下記のような障壁がありました。
- 言語など海外対応のサイトを作らなくてはいけなかった
- 海外発送の障壁が高かった
- 海外に合わせたマーケティング障壁が高かった
海外向けサイトを作るとなると、それだけでも大きな予算が必要となり、言語もアナログに対応させていたらきりがありません。また海外からの問い合わせに対しても言語スキルがないと厳しいものがありました。
また海外への発送も障壁が高かったです。物流に関する安心感はもちろん、小ロットからの配送もサービスが充実していませんでした。またそもそも国際的な配送に関するユーザーのリテラシーも低かったといえます。
さらに海外に展開しようとなると、そのマーケットを分析するだけでも障壁が高かったですよね。マーケットが変われば概念も全く異なるものになります。日本で受けていたことが海外では全くうけない。逆も然り。マーケティングを最適化しなくてはせっかくサイトを海外対応にしても、物流を完成させても、売れないので意味がありません。
しかし現在はこれら障壁がほぼ皆無になったといえます。
- ECにおけるASPが進化、誰でもグローバルサイトを安価に作れる時代に
- 海外発送メニューが充実し、小規模からでも運用できる時代に
- SNSによって海外マーケティングが容易な時代に
状況が逆転したわけです。
特にEコマース系のASPの進化が非常に大きくて、誰でもサイトの知識がなくても、簡単にグローバル対応およびグローバルシッピングに対応したオンラインストアを作ることができるようになりました。現時点における代表格は、SHOPIFY(ショッピファイ)ですね。
またSNSによって、海外のマーケティングを誰もが容易に調べることができるようになりました。SNSで検索すれば、どんな商品が売れていて、どんな物事がトレンドなのか一目瞭然。海外にわざわざ行かなくても、分析ができてしまいます。
また既存の商品がないような場合でも、海外のクラウドファウンディングなどでプロモーションして確認したり、SNSで海外のターゲット向けに広告を小予算でかけ、テストしてみたりと容易にターゲットとなる海外の分析やテストが行えるようになっています。
もはや海外を視野に入れないビジネスモデルを描く意味がないほどの時代といえるでしょう。特にD2Cにとってはよりスケールしやすい最高の時代になったといえます。そしてそれは今後も進化していくことでしょう。
むしろ海外から展開して逆輸入D2Cも
日本からD2Cブランドを展開していくのではなく、そもそも海外からブランド展開をしていき、日本に逆輸入的に展開していくという方法もできてしまいます。最近ではそういう事例も少なくはありません。
例えば現在韓国ファッションやコスメが一大ムーブメントを日本で巻き起こしていますよね。であればむしろ韓国のマーケットで通用するブランドを先に作り、韓国でも流行しているという評価を引っさげて国内展開すれば、国内での拡販展開は容易になったりします。
そもそも最終的に目指したい海外へ向けて最初からチャレンジしてしまうのも優れた方法であるといえます。
日本は輸入されてくるものに魅力を感じる背景もありますから、そういうマーケットの特性を活用したD2Cブランドのマーケティング展開も今なら、非現実的ではなく、むしろ非常に理にかなった方法となります。前項のように、国内にいながら海外に向けて展開することもできてしまうからです。
いきなり現地に法人を作って、現地にオフィスや人員、在庫を抱えてとなると非常に敷居が高いですが、今ならそんな敷居は0の状態で海外へ早期から展開することができるのを活用しない手はないといえます。
また各国や地域に合わせて最適化した展開だってできますよね。D2Cは顧客へ直接販売していく手法なので、国や地域に合わせて最適化がしやすいのも利点ですね。
ぜひこれからD2Cでブランド展開を検討されている場合には、グローバルを前提とした設計で進めていくと良いでしょう。