現代におけるジュエリーとは、アクセサリーとの違いなどを解説

ディスプレイされたアクセサリーたち

ジュエリーとは何か。概念は理解していても、実際にジュエリーとはどんなものを指し、アクセサリーなどとは何が違うのか。言葉での明確な意味の違いはあっても、現代における解釈は常々変動していくものです。現代におけるジュエリーとはどんなもので、アクセサリーとは何が違うのか。をD2Cジュエリーブランドを運営する筆者が解説したいと思います。

ジュエリーやアクセサリーにおける基本的な定義

陳列されたジュエリーとアクセサリー

まずは言葉においての基本的な定義をご紹介したいと思います。これはあくまで本来の意味であって、現代においては一般的な定義は変化しつつあります。現代における基本的な通説は後の項目で整理します。まずは原点を知っておきましょう。

ジュエリーという言葉は、英語でJEWERLRY(米)もしくはJEWELLERY(英)からくるものです。言葉自体のそもそもの意味は、宝石類・貴金属類を加工した装身具全般を指します。つまり宝石と貴金属からなる装身具をジュエリーと呼びます。

アクセサリーとの違い

ディスプレイされたアクセサリーたち

アクセサリーとは、もっと広意義の言葉です。アクセサリーとは装身具全般を指します。
つまり宝石や貴金属を使用していない、例えば木と布だけでできた装身具などもアクセサリーと呼びます。つまりジュエリーはアクセサリーという装飾品・装身具カテゴリーの中にある1つのカテゴリーです。ですからジュエリーもまたアクセサリーという概念になります。

分かりやすく例えるなら、ジュエリーは椅子、アクセサリーは家具となります。

そのアクセサリーかわいいねといえば、全般に対して使えますし、そのジュエリーかわいいねといえば、宝石と貴金属でできたアクセサリーに対してつかえるわけです。

ジュエリーの中にも種類がある

宝石店にディスプレイされているジュエリーたち

アクセサリーの中の1カテゴリーがジュエリーなわけですが、単にジュエリーといっても、様々な種類・カテゴリーがまた存在します。使用されている素材のグレードだったり、豪華さだったりなどによって種類がわかれているわけですが、主に下記の種類となります。

ジュエリーの種類
  1. ファインジュエリー・ハイジュエリー
  2. ファッションジュエリー・コスチュームジュエリー

ファインジュエリー・ハイジュエリーとは

女性とハイジュエリーとファインジュエリー

ファインジュエリー・ハイジュエリーとはジュエリーと基本的には同じ意味です。昨今、貴金属や宝石で作成されていない物をジュエリーとして販売するメーカーや宝石店が増えてきたため、区別する(差別化する)ために生まれた概念です。

ジュエリーという定義と同じで、宝石と貴金属で成立したアクセサリーをファインジュエリー・ハイジュエリーと呼びます。中でも際立って価値の高い一点もののジュエリーをハイジュエリーと呼びます。アートのようなものですね。

ファッションジュエリー・コスチュームジュエリーとは

女性の手にファッションリングとジュエリー

ファッションジュエリー・コスチュームジュエリーとは、貴金属や宝石を使用していないアクセサリーのことを無理やりジュエリーと呼んでいるものになります。つまりジュエリーという定義からは外れるので、正確にはジュエリーではありません。

安価な合金(真鍮やステンレスなど)や、模造宝石(スワロスキーなどのガラス細工など)で作られたものをファッションジュエリーやコスチュームジュエリーと言って販売されています。

これらはジュエリーではありませんので、長年愛用することを想定して作られてはいません。また価格も非常に安価な傾向にあります。(当然ですが、素材コストが安いからです)

ジュエリーという言葉を付け足した方がブランディングしやすいなどの理由が背景にあるといえるでしょう。

貴金属とは?

そもそも貴金属とはどの金属のことを指すのかも、ジュエリーとはを知るにあたって必須な知識です。貴金属と定義されているのは下記です。日本ジュエリー協会さんにて分かりやすく解説されているので、引用させて頂きます。

貴金属の種類一覧

貴金属とは
一般に、金(Au)、銀(Ag)と、プラチナの仲間である白金族の6種類、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の合計8種類を貴金属と称しています。 希少であり、加工性がよく、化学的に安定していることなどが貴金属といわれる所以です。 貴金属のうち、金、銀、プラチナは、主材料としてジュエリーに用います。パラジウム、イリジウム、ルテニウムは割り金(わりがね)としてジュエリーの素材に用います。ロジウムは、めっきの材料として重要です。オスミウムは、現在ではジュエリーにもめっきにも用いません。
出典:一般社団法人日本ジュエリー協会

上記8種の貴金属の中でも主原材料としてジュエリーに使用されるのは、みなさまが良く聞くことがあるであろう、下記の3つです。

ジュエリーの主原材料となる貴金属
  • ゴールド(金)
  • プラチナ(白金)
  • シルバー(銀)

つまりジュエリーと言えるのは、ゴールドかプラチナかシルバーが使用されているものを指します。

宝石とは?

宝石とは希少性が高く美しい天然の鉱物をさします。
みなさまがよくご存知のダイヤモンド、ルビー、サファイアなどが宝石です。
人工的に作られた鉱物などは宝石と呼びません。また見た目が美しくファッションジュエリーとして利用されたりするガラス細工なども宝石とは呼べません。

宝石は世界中で資産価値としての価値を有しているものです。例えばダイヤモンドは世界中どこでも現金化したりと高い価値として取引することができます。そして故意に劣化させない限りは劣化することなく価値を保ち続けることができます。

人工物は一度使用したら中古品となり、市場でさらに価値を生み出すことは基本的にできません。

現代におけるジュエリーの種類と定義

並べられたジュエリーたち

ここまではジュエリーやアクセサリーの語源的な意味合い、定義についてご紹介しました。しかし言葉の意味や使われ方とは時の流れと共に変わっていくもの。現在においてはどのように一般的な意味を持っているのでしょうか。現在の一般的な解釈や定義は下記とすると分かりやすくスムーズです。ただしこういった定義については各ブランドや宝石店などによって相対的に変化します。だから余計に分かりづらくなってしまうのですが、下記をマスターとして考えると一番スムーズです。

現在におけるジュエリーの種類と定義
  • ハイジュエリー
    • 時価となる一点物の超高級もしくはアートジュエリー
    • 希少性が非常に高い宝石をいくつもまとっていたり、1つの宝石でとんでもない価値がオークションでつけられるようなものであり、貴金属はゴールドかプラチナ限定。
  • ファインジュエリー
    • 鑑定書クラスの宝石をまとったジュエリー(婚約指輪などが一般的)
    • 貴金属はゴールドもしくはプラチナ限定。
  • ファッションジュエリー
    • 鑑定書は付かない小さめの宝石などをまとった普段使い用のジュエリー
    • 貴金属はシルバー、ゴールド、プラチナ限定。
    • メレダイヤモンドなどの造形用の宝石を主体的に活用したファッションとしてのデザインを重視して設計されたもの。

そもそもジュエリーと呼ぶなら、本物の天然宝石と貴金属が使用されていることが現在でも大原則であり、それ以外はジュエリーとは定義されませんし、実際にジュエリーではなくアクセサリーです。

結論とまとめ

  • アクセサリーは装飾品・装身具全般のこと
  • ジュエリーは貴金属と宝石だけで成立しているアクセサリーの中にあるカテゴリー
  • 貴金属と宝石を使用していないものはジュエリーとは呼べない
  • 普段使いを想定したものをファッションジュエリー
  • 資産価値も上乗せしたものがファインジュエリー
  • ファインジュエリーの上位には時価となるハイジュエリーがある
  • つまりジュエリーブランドとは、貴金属と宝石だけを使用してアクセサリーを展開するブランドのこと。

後付け後付けで、物事の概念や定義とはガラパゴス化しやすかったりしますが、ジュエリーにおいても同じ状態だったといえます。

これらを押さえておけば、ちゃんとジュエリーを選ぶことができるでしょう。ちなみになぜか日本では貴金属といえばゴールドやプラチナというイメージが強いですが、シルバーもれっきとした優れた貴金属ですので、合わせて覚えておきましょう。(希少性はプラチナ>ゴールド>シルバーです。)合金系はいくらでも生産できてしまうので、いくら特別感をうたっても貴金属同様の価値を持つことは不可能です。

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KURO
1983年神戸生まれ東京育ち。クリエイティブディレクター、実業家、キャンパー。「生活必需より人生必需」をモットーに、一度きりの人生をより豊かに華やかに吟味するライフスタイルを追求。完全made in Japanなジュエリーブランドを創業し、総監督して2021年で10周年。提供するもの、関わる人たちを引き立てる優れた背景になりたいという想いから、「KURO(全てを引き立てる黒い背景)」を名乗り、華やかな人生、ライフスタイルは何かを追求し続けています。様々なD2C系事業やブランドのプランニングや立ち上げのサポート、コンサルティングも精力的にサポートしています。お問い合わせはインスタグラムDMよりお願いします。
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