ジュエリーは最強のSDGsであり、エシカルな価値を持つ商材である

ジュエリーの活用性を表したSDGsとエシカルであることの図

現在において、世界中で最も大きな流れといえば、SDGs(持続可能な開発目標)とエシカル(ethical)消費(人と社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノを購入・消費すること)だといえるでしょう。

大量生産、大量消費の時代の中で、環境に社会に人に配慮し倫理をもって、より優れた未来を構築していくこと。とても大切な概念であると思います。筆者も普段の生活はもちろんのこと、ビジネス開発を自身で行う場合でもそのサポートをする場合においても、SDGs(サスティナビリティ)やエシカルというキーワードおよび概念を大切に選択しています。

ところでジュエリーはこれらSDGsやエシカルという概念において非常に優れた商品としての性質を持っていることをご存知でしょうか。

ジュエリーを構成する素材そのものがエシカルでSDGs的

ジュエリーの活用性を表したSDGsとエシカルであることの図

ジュエリーがSDGsやエシカルに優れている最たる理由は、ジュエリーを構成する素材に理由があります。

ジュエリーを構成する素材
  • 宝石
    • ダイヤモンド、ルビー、サファイアなど多数
  • 貴金属
    • プラチナ、ゴールド、シルバー

ジュエリーは宝石と貴金属という2つの素材だけで作られています。(皮革や合皮コードなどを使用している一部ジュエリーを除く、貴金属には一部硬度を高めるための別の金属が合金化されています)

この宝石と貴金属(合金している金属)は一部の素材を除いてどちらも恒久的な素材。
宝石はどれだけの年月が経過しても朽ち果てるすることがありません。貴金属も同様です。そもそも産出自体が途方もない歳月の中で自然界で生成され、眠っていたわけですから。

もちろん保管状態により変色したり、使用が乱雑だと宝石が割れてしまったりしますが、そもそもの素材としては自然となくなってしまうものではないのです。

例えば衣料品であればこうはいきません。
コットンでできたベストがあったとして、それを新品で着用後に中古でユーザーをまたぐことはできますが、価値は著しく落ちますし、何より経年劣化は徐々におこっていき、いずれ使用不可能になります。

しかしジュエリーは宝石と貴金属という恒久的素材で成立しているため、ずっと活用し続けることを可能にしているのです。

おばあちゃんの形見のジュエリーなど、世代をまたいでずっと利用することも可能ですね。
素材自体がずっと活用ができるものなため、大量生産よりも素材をより大事に活用し、ユーザーをまたいでその素材もしくは商品を活用し続けることができますから、サスティナビリティに優れており、エシカルとしての側面に向けて活用しやすい商品であるといえます。

宝石の安定性と再活用性

明るい背景に並べられたダイヤモンド宝石たち

ジュエリーの主役素材の1つである宝石はずっと再活用することができ、原則として中古の概念がありません。もちろん保管状態や使用状態が悪く、劣化をユーザー側で招いてしまった宝石などはその限りではありませんが、基本的に宝石は通常の状態では劣化しません。

例えばダイヤモンドは非常に硬い鉱物でありジュエリーに最も使用されている宝石ですが、ダイヤモンドはそのまま置いておいても劣化することも輝きを失うことも、その価値がなくなることもありません。婚約指輪などでダイヤモンドの指輪が多いのは、これも大きな理由です。またダイヤモンドに対してある高い価値観も同様でしょう。

例えば1カラットのダイヤモンドの指輪を持っていたとして。それを40年後に不要と判断して処理を考えた場合、そこに捨てる。という選択肢はありません。宝石や貴金属の買取業者にもっていけば、何十年後であったとしてもダイヤモンドは現金化することができます。もしくはその価値の査定に基づいて、新しいジュエリーを購入するための下取りとして利用することもできます。

そしてその査定において、中古という概念が存在しません。
例えばブランドバッグなどだと中古等級がつきますよね。その物の劣化状態に合わせてランクをつけます。当然ですがブランドバックなどは使用頻度がたかければ劣化していき、ますし素材そのものが経年劣化をおこす素材でできているからです。

しかしダイヤモンドはその見た目が衰えることがないので、中古の概念がありません。買取業者がそのダイヤモンドジュエリーの指輪を買い取った後に宝石市場に再度流通させていくわけですが、再度指輪から取り外されたダイヤモンドは新品の素材として流通させることができるのです。

さらにはそのダイヤモンドジュエリーの指輪を娘さんにそのまま継承することもできますし、娘さんはそのダイヤモンドジュエリーの指輪についている宝石を活用して新しいジュエリーを作ることもできます。(ただし一部特殊な宝石によっては(例えばパールなどの真珠類)再活用できない宝石もあります。)

これらのように宝石は1つの素材をずっと多くのユーザーもしくは1ユーザーが活用し、再活用し続けることができるため、素材を再度調達しなくても素材のリサイクリングとシェアが容易に行える前提を持っており、サスティナブルな素材であり、大量消費時代においてもエシカルさを追求しやすい素材であるといえるでしょう。

貴金属の安定性と再活用性

リサイクルされるジュエリーの貴金属

ジュエリーの主役素材のもう一つである貴金属もまた、非常に優れた素材です。なぜ貴重なのかの理由は希少性もありますが、何より素材そのものの素晴らしさにも起因します。

ジュエリーに使用される貴金属はプラチナ(白金)・ゴールド(金)・シルバー(銀)が基本ですが、これら全て再活用できる金属です。そもそも金属は溶かして再製錬し再利用することができる素材ですからね。貴金属も同様です。

宝石のトピックと同様に、ダイヤモンドとプラチナでできた指輪があったとして、ダイヤモンドという宝石の再活用性は前項の通りですが、プラチナという貴金属も同様で、溶かして再素材化することができます。そして素材に中古の概念はありません。最素材化された貴金属は新品です。

この特性はプラチナであっても、ゴールドであっても、シルバーであっても同じ。
安定性については差異があります。純プラチナや純金は変色しませんが、シルバーは硫化がおきていきます。しかしこれは腐食ではなくあくまで表面の変色なのでお手入れで簡単に戻すことができ、素材そのものが劣化したわけではありません。

なるべくお手入れしなくても安定していた方が良い用途のジュエリーであればプラチナやゴールドとなりますが、シルバーは費用対効果にも優れた美しい貴金属。このあたり何が最適かについては別記事でご紹介しています。

EIKAのファッションジュエリーたち

いずれにしても腐食がおこらない貴金属は優れた安定度を持つ金属であり、ずっと保有し続けることで価値が劣化することはありません(グラム単価の相場は変動します。例えば金は今相場が非常に上がっていますね)

貴金属は活用性、再活用性において無限のサイクルを生み出す素材なので、宝石と同様にSDGsという概念においてもエシカルという概念においても、非常に優れた素材であると言えるでしょう。

サスティナビリティ、エシカル溢れるビジネスモデルが成立しやすい

ジュエリーの活用性を表したSDGsとエシカルであることの図

ジュエリーの素材そのものがSDGs的でエシカルな要素が強いため、ビジネスモデルとしてもサスティナビリティ溢れる、エシカルなモデルを設計しやすく、さらに優れたビジネスを展開しやすいのです。

例えば僕が初めて作ったD2CジュエリーブランドEIKAにおいては、世界で初めてジュエリーブランドとして自社コレクションのリフォーム(リメイク)と下取りサービスを展開しました。

つまり自社ブランドで展開したジュエリー商品をお客様がさまざまな理由で新しいデザインに変えたい場合、他者のリフォーム屋さんや買取業者に持っていかなくても、全てブランド内で完結できるようにしたのです。

これにより顧客間でジュエリーの宝石と貴金属という素材がサイクルしていく流れが生まれ、新規素材の調達ボリュームをほとんど減らすことができるようになりました。

新しく素材を調達する数量が減れば、地球環境に優しくなります。ある素材をずっと活用するという仕組みは倫理面においても非常に優れた貢献性をもっているといえるでしょう。

また素材のリサイクリングによって、ジュエリーの定価革命を起こすことが可能となり、より良い商品をよりリーズナブルに届けることができ、顧客にとっての恩恵は非常に大きなものとなります。

地球にも、社会にも、産業にも、人にも、そしてそれを提供するブランド側メーカー側にとっても幸せな選択肢となる仕組みを実現できたのです。

実際、今回ご紹介したジュエリーが持つそもそもの前提的なサスティナビリティやエシカルさを活用できているメーカーは現時点で非常に少なく、もったいない印象なのがまだまだ現実です。

しかしジュエリーは非常に優れたサスティナビリティとエシカルな要素を持っているため、今後より優れた商品とライフスタイルの関係を構築していけると信じています。

ぜひこの記事をご覧になった方も、そういった仕組みで展開されているメーカーやブランドのジュエリー商品で検討してみてくださいね。

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ABOUT US
KURO
1983年神戸生まれ東京育ち。クリエイティブディレクター、実業家、キャンパー。「生活必需より人生必需」をモットーに、一度きりの人生をより豊かに華やかに吟味するライフスタイルを追求。完全made in Japanなジュエリーブランドを創業し、総監督して2021年で10周年。提供するもの、関わる人たちを引き立てる優れた背景になりたいという想いから、「KURO(全てを引き立てる黒い背景)」を名乗り、華やかな人生、ライフスタイルは何かを追求し続けています。様々なD2C系事業やブランドのプランニングや立ち上げのサポート、コンサルティングも精力的にサポートしています。お問い合わせはインスタグラムDMよりお願いします。
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