ジュエリーは用途や種類に合わせて様々な種類の貴金属で作られます。ポイントは金属ではなく必ず貴金属が使用される点にありますが、それぞれの貴金属素材によって魅力は異なり、メリットやデメリットも存在します。どれが正解というわけではなく、時々に合わせて最適な貴金属の素材でジュエリーを選ぶことが大切です。今回の記事では、ジュエリーに使用される貴金属それぞれのメリット、デメリットについてご紹介します。
目次・CONTENTS
貴金属素材もジュエリーの主役
ジュエリーと聞くとつい宝石素材にばかり目が行きがちですが、実際にはジュエリーの表面積の大半を占める素材は貴金属。同じ宝石を使用したとしても、貴金属素材によってその表情もデザイン性も機能性も大きく変わります。
宝石も貴金属も用途に合わせてご自身のライフスタイルや予算など総合的に判断して最適なものを選ぶことが大切です。そのためには貴金属の知識を最低限は知っておく必要性があります。
カメラを選ぶ時、見た目のデザインも重要ですが、画素数なども必ず知ってから購入しますよね。ジュエリーにおいても同じで、ただ見た目だけで選ぶのではなく、そのジュエリーの持つポテンシャルが最適かどうかが重要です。
ジュエリーの貴金属素材とメリットデメリット一覧
まずはジュエリーの貴金属素材とそれぞれのメリットデメリットを一覧にまとめておきます。
貴金属素材 | メリット | デメリット |
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シルバー(銀) | コストパフォーマンス高い 味が出てくる | 徐々に変色が起こる |
ゴールド(金) | 安定している カラー表現に優れる メンテナンスしやすい | 高額 費用対効果が焼き付きやすい |
プラチナ(白金) | 非常に安定している メンテナンスしやすい | カラー表現できない 高額 |
希少度は、プラチナ>ゴールド>シルバーとなります。
価格は、プラチナ&ゴールド>シルバーとなります。ゴールドとプラチナは相場でどちらが高額になるかは変動しやすいですが、現時点だと希少性がプラチナに劣るにも関わらずゴールドの方が高額になっています。
ジュエリーの大前提は貴金属となりますので、基本的に上記3種類が使用されます。全て貴重な貴金属です。ただしゴールドとプラチナの希少度はシルバーを大きく凌駕します。
貴金属それぞれの基本おすすめ用途と純度
実際の用途別および原則となる純度として一覧にしました。一概には言えない部分もありますので、基本用途となります。
貴金属素材 | 基本用途 | コメント |
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シルバー(銀) 92.5% SV925 スターリングシルバー | ファッションジュエリー | 流行や好みの変化がおきやすいファッションジュエリー 硫化を味わいに利用したシルバージュエリー |
ゴールド(金) 75% K18 750 | ファインジュエリー | より長くメンテナンスフリーで愛用したいラグジュアリーラインのファッションジュエリー |
プラチナ(白金) 90%以上 PT900 PT950 | 婚約指輪や結婚指輪 | ウェディング系のジュエリーやコレクション系ジュエリーなど半永久的にメンテナンスフリーで保有したいじゅえりーなど |
貴金属はそのまま(純度100%)だと柔らかすぎるため、身につけて利用することを前提としたジュエリーにあたっては最適ではありません。そのため硬い金属と合金化して強度を高めて使用します。
しかし硬度を重視するほど合金化する別の貴金属の含有率が増えるわけですから、純度が低下してしまうため本末転倒です。
そのため大切なのは高い純度かつ実用性とのバランスがとれていること。その上で上記の純度は必須の条件となります。時々純度が低く貴金属と呼べないようなものを少し貴金属が入っているからといってその素材名で販売しているケースもありますが、悪質です。気をつけましょう。
シルバーはカジュアルシーン用のジュエリーに
上記の通りシルバーは、ゴールドやプラチナと比較して素材のコスト・価格が安価になるため、普段使いや新しいデザインをファッションに合わせて頻度高く求めていくファッションジュエリーに最適な貴金属素材です。
ファッショントレンドに合わせて新しいデザインのバリエーションやスタイルを細かく楽しんでいくためには数が必要となりますから、ゴールドなどにしてしまうと高額になりすぎて現実的ではありません。
シルバーは希少度や安定度こそゴールドやプラチナに劣るものの、素晴らしい貴金属であることに変わりはありません。美しい輝きはジュエリーの王道たる素材です。
また硫化といって酸素などと結合して徐々に黒みを帯びていく(すぐにはなりません)現象がありますが、これは腐食ではないので、綺麗に戻すことが簡単にできます。
またシルバーをジュエリーの素材とする場合、純度は必ず92.5%のものを選んでください。
SV925やスターリングシルバーなどとも呼ばれます。
シルバーは表面をゴールドでコーティング(メッキ・プレーティングとも)できるため、ゴールドと同じ色彩表現ができます。イエローゴールドカラー、ピンクゴールドカラー、そしてシルバーカラーが選べます。見た目はゴールドと何も変わりません。
ゴールドはラグジュアリーラインに
ゴールドはラグジュアリーなファッションジュエリーやファインジュエリーに最適です。シルバーと比較して高額になりますが、ずっと同じデザインで生涯持っておきたい。という前提などの場合にシルバーと違って硫化が起きないため、最適といえます。
でもある程度今の気分やファッショントレンドに合わせてとなる場合は、シルバーで選んだ方が費用対効果は高いかもしれません。
例えば同じダイヤモンドのファッションジュエリーリングAがあったとして、シルバーだと3万円、ゴールドだと15万円というような値段の開きがでてしまうためです。
ゴールドは長年飽きがこないようなデザインだったり、よりラグジュアリーなラインのジュエリーの場合などに選ぶと良いでしょう。
要は基本普段使いするファッションスタイルに合わせたジュエリーならシルバー。ずっと同じ状態で残しておく必要があるものはゴールドという線引きにしましょう。
なおゴールドではイエロー、ピンク、ホワイトゴールドの3つのカラーが選べます。そして純度は必ずK18(18金・純度75%)のものを選びましょう。
K10(10金・純度42%)のものはコストをさげるために使われているものなので選択肢として無意味です。K10ならシルバーにした方が良いですから、気を付けましょう。
プラチナはウェディングジュエリー(ブライダルジュエリー)に
プラチナは非常に安定した貴金属。
主に婚約指輪や結婚指輪などのブライダルジュエリーに最適な貴金属です。
ちなみにホワイトゴールド、シルバー、プラチナは見た目は全く一緒です。
最近ではカラーゴールドの婚約指輪や結婚指輪も人気なので好みで選んで大丈夫ですが、基本的な選択肢がプラチナとなります。
婚約指輪や結婚指輪は生涯持ち続けること、その物自体に価値が伴っていることを前提としたジュエリーのため、変色がほとんど起きず、さらに価値も高いプラチナが最適な選択肢として選ばれる傾向にあります。
ただゴールドとプラチナの安定度の差はそんなに大きなものではないので、ゴールドの色味が好きであればゴールドで選んでも大丈夫ですよ。
ただ婚約指輪や結婚指輪でシルバー素材は選んではいけません。用途として最適ではありません。婚約指輪や結婚指輪は生涯その状態で保有することを前提として選ぶためです。
純度は、90%もしくは95%のものを選んでください。(PT900もしくはPT950)
最近はPT1000といった純度100%をうたっている素材も出てきていますが、あまり意味がありません。そもそも加工しづらくなるので、変に選ばない方が良いです。欧米のラグジュアリーブランドはPT950が基本です。同じ基準でいきましょう。
シーンに合わせて最適な貴金属素材のジュエリーを選ぼう
貴金属それぞれのメリットデメリットについてご紹介しました。
ジュエリーの貴金属素材選びで大切なのは、どれかではなくどれを選ぶか。
シルバーにもゴールドにもプラチナにもメリットデメリットがありますから、そのジュエリーの用途やシーンに合わせて最適な素材を選ぶことが大切です。
ご参考になれれば幸いです。