ダイヤモンドはブランドで選ばない、ダイヤ自体がブランドだから

ダイヤモンドをセレクションしている光景

ダイヤモンドって、どこのブランドのダイヤモンドだから価値が高いとか、どこのブランドのは品質が悪いとか時々勘違いされたイメージがありますが、これは本当に間違いです。ダイヤモンドはダイヤその物がブランドであり、価値はダイヤモンドその物で決まるからです。

ダイヤモンドおよびダイヤモンドジュエリーは、ジュエリーブランドで決めるのではなくダイヤモンドそのもので検討すること大切です。

そもそも宝石とはその物がラグジュアリーブランド

岩の上で輝くダイヤモンド

ダイヤモンドに関わらずですが、宝石とはその物自体が国際的に「貴石(貴重な石)」として定義された価値の高い美しい鉱物のことを指します。

例えば四大宝石と呼ばれる宝石には、ダイヤモンド・エメラルド・サファイア・ルビーがありますが、これらは世界中どこでも宝石として価値があるものと定義されています。ジュエリーブランドとは、宝石という大きなブランドを活用したブランドであるというのが正しい解釈となります。宝石そのものが高級ブランドなのですね。

これはジュエリーに採用される貴金属も同じ。プラチナ・ゴールド・シルバー、どれもがすぐに金銭的価値に換えることができ、その相場は国際的に通貨と同じように決まっています。どの国にいってもこれらは価値のあるものとして現金的価値を伴いますよね。

宝石も一緒。つまり宝石と貴金属で構成されるジュエリーとはジュエリーそのものがブランドといっても過言ではありません。

ですから、どこのブランドだからダイヤモンドの質が高いということではなく、どんなダイヤモンドであるかそのダイヤモンド自体を精査することが大切なポイントとなります。

安易にあのブランドだからと選んでしまうと、かえって選択肢を削ってしまうことになることも少なくありません。

ダイヤモンドは世界共通で価値の基準が決まっている

ダイヤモンドの4C

特に宝石の中でもダイヤモンドは、世界共通でその価値の基準が定められています。4Cと呼ばれるグレーティング基準です。これはどの国においても、どのジュエリーブランドにおいても同じ概念となります。4Cについては下記記事で詳しくご紹介しています。

ダイヤモンドのルースを鑑定している風景


また産地などはあまり重要ではありません(倫理的に紛争地域のダイヤモンドはだめというような概念はあります)。ダイヤモンドの鑑定書にも産地などは明示されていないのは、これが理由です。

ダイヤモンドはその物がどんなものであるかで価値が決まり、その基準もまたジュエリーブランドなどに依存していないものとなるため、ダイヤモンドその物の価値で推し量ることが大切となります。

高いブランドは高いダイヤモンドをセレクトしている

ダイヤモンドのルースを鑑定している風景

つまりダイヤモンドジュエリーを販売しているジュエリーブランドで高い金額のジュエリーをメインとして販売しているブランドは、「高いダイヤモンドをセレクトしている」というのが正しい概念です。高いダイヤモンド、高い宝石をセレクトすればコストが必然と上がるので、販売価格も高くなるという分かりやすい概念です。この辺りはジュエリーブランドというのは特殊ですね。アパレルブランドなどの高額、高級な背景とは少し異なっていきます。

そして高級ブランドになればなるほどイメージに対して相当な投資を行なっているため、それらも販売価格に上乗せされます。よくブランドフィーと呼ばれるものです。これを悪習と考える方もいらっしゃいますが、僕はそうは思いません。然るべき投資をしてそれに見合う宝石の価値以外の価値を付加価値としてちゃんと付けているからです。

しかしながら、僕はそれらを軸に検討してしまうとジュエリーというのは費用対効果が著しく悪くなる傾向にあると考えていますし、実際も同じです。

なぜならその付加価値に見合うものが得られているかどうかは、ジュエリーにおいては疑問を感じるケースが多々あるからです。

例えば同じクラスで同じデザインの1カラットのダイヤモンドジュエリーがあったとして。高級ブランドAでは350万円で販売していたとして、国内の最適価格を売りにしているジュエリーブランドだと150万円で販売していたりと、その価格差にあまりにも開きがあるケースが多いからです。

特にジュエリーブランドは、宝石というブランドにあやかって定価を押し上げやすいため、このような現象が起きやすいといえるでしょう。

高級ジュエリーブランドで満を持して購入したが、あとから色々と調べたら半額以下で購入できたことを知り、費用対効果に後悔をしてしまうケースがダイヤモンドジュエリーにおいては非常に多く発生する現実があるからです。

もちろん高級ブランドであれば前述の通り、高いダイヤモンドだけをセレクトしているため選んだら必ず高い価値のダイヤモンドであるという保証はありますが、それはあまり意味がなく、ダイヤモンドのクラスの選ぶ方を知れば、ブランドにとらわれずに良質なダイヤモンドジュエリーを選ぶことができる。ということです。

ダイヤモンドクラスに付加価値は基本ない

鑑定士がダイヤモンドを鑑定している光景

特に日本国内においては、ダイヤモンドに関する付加価値がガラパゴス化しています。
4Cと呼ばれる(カラット・カラー・クラリティ・カット)の指標以外にも独自に価値基準を設けていたりするケースです。これらは実際には一部の希少な例を除き、価値に紐づきません。

例えば特殊な光源下で見るとハートが浮き出たり、サクラの文様が浮き出たりというような独自のダイヤモンドグレードや付加価値を設けている場合がありますが、これらは実際にダイヤモンドそのものの価値を押し上げるものではないのです。それにこれらは肉眼では見えないケースがほとんどなので実際には視覚的にも意味をなさないことがほとんど。あくまで趣味趣向に対して。というものに収まる概念です。

ダイヤモンドは価値基準が共通で定められているため、そこから少しでも差別化を図ろうとしてこのような概念が生まれているのですが、本来ジュエリーブランドとはもっと世界観だったり作品のデザインなどもっとユーザー側が実際に得られるベネフィットに合わせて付加価値を設けるべきだと僕は思います。

うちのダイヤモンドは他よりも優れている。という概念はブランドによって起こるものでは本来ないので、あまり惑わされずに毅然と選ぶことが大切です。

ダイヤモンドジュエリーはクラスと価格を精査しよう

ダイヤモンドをセレクションしている光景

ダイヤモンドのようにその物がブランドであり、クラスの基準が明確に定められている宝石においてはなおさら、そのクラスと価格をしっかりと精査して選び、そこからその条件に当てはまるジュエリーブランドで選ぶという流れが正しい選び方です。

そうしないと予算内でもっと良いダイヤモンドが手に入ったはずなのに、その選択肢を率先して壊してしまうことになりやすいです。それが少しの差だったら良いのですが、大きな価格の開きが生まれてしまうので無視をしてはいけない概念といえます。ダイヤモンドの価値と最適な価格と価格の比較は、誰でも簡単に行えます。

ぜひこれからダイヤモンドジュエリーを選ぶ方は、こういった宝石の概念を踏まえた上で、ジュエリーブランドからではなく、ダイヤモンドというブランドにおいてどのようなクラスのダイヤモンドを求めているのかから検討されると良いでしょう。

ダイヤモンドのルースを鑑定している風景
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KURO
1983年神戸生まれ東京育ち。クリエイティブディレクター、実業家、キャンパー。「生活必需より人生必需」をモットーに、一度きりの人生をより豊かに華やかに吟味するライフスタイルを追求。完全made in Japanなジュエリーブランドを創業し、総監督して2021年で10周年。提供するもの、関わる人たちを引き立てる優れた背景になりたいという想いから、「KURO(全てを引き立てる黒い背景)」を名乗り、華やかな人生、ライフスタイルは何かを追求し続けています。様々なD2C系事業やブランドのプランニングや立ち上げのサポート、コンサルティングも精力的にサポートしています。お問い合わせはインスタグラムDMよりお願いします。
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