ジュエリーやアクセサリーにはさまざまな金属の素材が使用されます。
ジュエリーやアクセサリーにとって金属は主役の素材であり、デザインや品質に大きく影響を与えます。特にジュエリーに至ってはその大部分が貴重な金属である、貴金属で作られますから重要なポイントです。
目次・CONTENTS
ジュエリーに採用されるのは貴金属だけ
前回の下記記事でもご紹介しましたが、ジュエリーは貴金属で作られたものを指します。
金属にはさまざまなものがあり、アクセサリー全般では実に多様な金属素材が採用され使われていますが、ジュエリーに採用できるのは貴金属だけ。天然の宝石と貴金属で作られたものが、ジュエリーという定義になります。ジュエリーはアクセサリーというジャンルの1つのカテゴリー。
そのため貴金属以外を使用している場合はジュエリーではなくアクセサリー(もしくは他の呼び方)と呼びます。
ジュエリーに使用される貴金属の種類
ジュエリーに使用される貴金属の種類は下記の3つです。
おそらく上記3つはみなさん聞いたことは必ずあると思いますし、ジュエリーといえばイメージされるものかと思いますが、一緒です。
貴金属には上記以外にもさまざまな種類があるのですが、ジュエリーに使用されるのは今のところ上記の3つの貴金属のみです。それ以上もそれ以下もありません。
プラチナ(PLATINUM / 白金)
プラチナはジュエリーに使用される貴金属の中で最も希少性の高い貴金属です。
プラチナは白い色と輝きを持つ貴金属。日本名では白金(はっきん)と呼び誤解を生みやすいですが、ホワイトゴールドとは全く異なります。ホワイトゴールドは金に白い色味をつけたものです。
金の年間採掘量の二十分の一ほどの貴重なレアメタルです。
プラチナを最も多用するジュエリーが日本だと、ブライダルリング(婚約指輪と結婚指輪)です。色々な理由がありますが、まず白く美しい輝きが純潔・純粋といった意味合いと親和性が高く、結婚というシーンに最適な印象であること。ししてプラチナには変色変質せず永遠の輝きを保つ特性があるため、毎日一生身につける結婚指輪や生涯保有し継承していくことを前提とする婚約指輪などに最適でよく選ばれている理由となっているためです。(ゴールドより安定しています)
婚約指輪や結婚指輪の基本素材で最適な素材がプラチナと言えるでしょう。しかし昨今はファッショナブルなカラーゴールドの婚約指輪や結婚指輪も人気な傾向にあり、ゴールドも安定はしているため、好みで選ぶ傾向になっています。
また婚約指輪などのダイヤモンドを主役とするジュエリーの場合には、ダイヤモンド自体が白い輝きのため、プラチナの白い貴金属の輝きと相性が良いです。
なお純プラチナ(100%純度のプラチナ)だと柔らかすぎるので、硬度をあげるためにパラジウムなどの金属を微量に割り入れて硬くしたものがジュエリーに採用されます。
合金する素材の量が多いほど硬くなりますが、純度は当然落ち、純度が落ちるということは変色しやすくなっていきます。
プラチナ素材でジュエリーを選ぶ場合には、原則として純度90%以上のものを選びます。昨今婚約指輪や結婚指輪での主流は、純度95%(PT950と表記されます)です。またネックレスなどのチェーンは80%以上で採用されることが多いです。
粗悪なジュエリーだと純度が低い物で販売しているケースもありますので、注意が必要です。またプラチナで色味を変えることはできないので、その場合はゴールドかシルバーにゴールドコーティング(メッキ)のいずれかが最適となります。
ゴールド(GOLD / 金)
ジュエリーに使用される貴金属として最も一般的なものが、ゴールド(金)です。
プラチナ同様に非常に貴重で希少性の高い貴金属です。
ゴールドはその名の通り金色ですが、色味を持つ金属を割りがねすることで、様々な色味を表現することが可能です。下記のような種類があります。
- イエローゴールド
- ホワイトゴールド
- ピンクゴールド(ローズゴールド)
例えばピンクゴールドはピンク色の銅を割りがねすることで温かみのあるピンク色をもたらしたものです。日本人の肌の色と最も馴染むとされています。
プラチナ同様に金も純金(純度100%・24金)だと柔らかすぎるため、他の硬い金属と合金化して硬度を高めます。
純度がとても重要で、主に国内だと下記のような純度が出回っています。
- K18(18金):純度75%
- K14(14金):純度58%
- K10(10金):純度41.7%
純度が高いほど変色などが起きづらくなります。逆に純度が低くなると硬度は増しますが、変色しやすくなります。
ジュエリーとしてゴールド(金)のものを購入するなら、原則としてK18(18金)を選びましょう。
K10やK14はコストダウンのために採用されていることが多く、選ぶメリットが著しく低下するからです。K10やK14のジュエリーを購入するなら、シルバー(銀)で選んだ方がメリットは高くなります。(価格面でも)
ゴールドは、資産価値として残したいジュエリーや半永久的にそのデザインで愛用をし続けたいジュエリーに最適です。プラチナだと得られない色味なども表現できるため、ずっと生涯愛用したいファッションジュエリーなどとも親和性が高いです。
しかし素材そのものが高額(現在で1gあたりの相場はプラチナを上回ります)になるため、普段使いする今のファッションに合わせたファッションジュエリーというケースだと高くなりすぎてしまうため、シルバー素材が向いている傾向にあります。
またジュエリーはリメイク(リフォーム)することができるため、もし迷ったなら入り口はシルバー、追ってゴールドに切り替えるという方法もあります。
シルバー(SILVER / 銀)
プラチナやゴールドと並ぶ貴金属の代表格の1つであり、ジュエリーとして非常に多用されるシルバーは、可視光線の反射率は98%と金属の中で最も高く、磨けばプラチナにも劣らない光沢を放ちます。
希少性はプラチナやゴールドよりも低いですが、貴金属であることに変わりはありません。むしろゴールドやプラチナだと貴金属を多く使用するジュエリーではそれだけで非常に高額になってしまいますが、シルバーだと比較的コストが安価に済むため費用対効果にも優れています。
プラチナやゴールドと明確に違う点は、変色性です。
シルバー(銀)は空気中の酸素や汗、温泉などの成分と結合して硫化が起こる特性があるためです。しかしそれは特性があるというだけで、貴金属と呼ばれるほど美しく安定はしている貴金属です。
また硫化して黒ずんでしまった場合にはメンテナンスすることで輝きを取り戻すことができますので、この点についてはあまりリスクとは言えません。
シルバーもプラチナやゴールドと同様に純度100%だと柔らかすぎるため、ジュエリーに使用する際には銅と合金化したり、ロジウムコーティングを施して硬度を高めます。
シルバーの場合の純度は基本一択で、92.5%(sv925・スターリングシルバー)です。
この純度以外の選択肢はもしあっても選んではいけません。
よくシルバーはアレルギーが起こりやすい??というイメージの方がいらっしゃいますが、シルバーにはアレルギー反応は基本おこりません。合金化している銅などに反応しているものです。これはゴールドであってもk18が基本となるため、基本として同じリスクがあるといえます。このあたりはその人にとって最適な素材は異なるため、試着してみたりと試して精査すると良いでしょう。
シルバーは高級ジュエリーブランドにも多用されています。有名なところだとメンズジュエリーのクロムハーツ。そしてアメリカのラグジュアリーブランドであるティファニーもシルバージュエリーを多数展開していますね。
シルバーが素晴らしいのは貴金属でありながら、費用対効果に非常に優れているもの。また現在ではプレーティング技術が優れているため、K18などのゴールドで表面をコーティングすることで非常に安定し、さらにゴールドと同様の色味を表現することができます。
例えば上記のリング、K18(ゴールド)なら20万円あたりが相場。SV925(シルバー)なら5万円台前後の相場で購入することができます。見た目の変化は全くありません。
シルバーはファッションジュエリーに最も最適な貴金属素材です。
ファッションジュエリーは、流行の変化が著しく早いファッショントレンドに大きくそのデザインを左右されていくため、例えば20万円でK18ゴールドでジュエリーを購入しても、翌年にはその年のトレンドのファッションに合わせたデザインが欲しくなったりしやすいです。でもその時にまたK18ゴールドで新しいジュエリーを合わせて購入するのは、かなりハードルが高いですよね。
その点シルバーなら比較的安価に入手ができるため、ファッション変化への対応と最適化がしやすくなります。それにしばらく愛用したい場合でもメンテナンスすればずっと愛用できます。
またゴールドの欄でもご紹介しましたが、ジュエリーはリメイクしたり下取りにしたりすることが容易なので、あとからゴールド素材に切り替えてリフォーム(リメイク)したりといった選択肢もありますから、ファッションジュエリーとして検討される場合は、基本シルバー(SV925)素材もしくはシルバー+ゴールドメッキ(K18GOLD PLATING)の素材が最適といえるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。ジュエリーは貴金属で作られ、貴金属には種類があり、貴金属の種類はそのジュエリーに用途によって最適なものが変わるのです。どれがベストかは、用途やシーン、その作品によって変わるんですね。
- ジュエリーに使用される貴金属は、プラチナ・ゴールド・シルバーの三素材
- 婚約・結婚指輪系ならプラチナ素材が基本
- 一生そのまま使うジュエリーで色味を出すならゴールド
- ファッションジュエリーならシルバーかシルバーにゴールドコーティング
- それぞれ純度は必ず高いランクのものを選ぶ
※上から順に希少性となります。