ジュエリーを選ぶ上で、とても重要なこと。
それは、どんな貴金属でできているジュエリーを選ぶか。です。
ジュエリーと聞くとつい宝石に目が行きがちですが、ジュエリー自体はほとんど貴金属でできているので、貴金属選びはとても大切です。
そしてジュエリーにおいて貴金属を選ぶ際のポイントとしては、ただ希少性などの価値やイメージで選ぶのではなく、何が今回の用途にとって、自分のライフスタイルや予算にとって最適なのかで選ぶということです。
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ただ高いものを選ぶだけでは最適とはいえない
ジュエリーに使用される貴金属には、プラチナ・ゴールド・シルバーの三種類があります。これ以上もこれ以下もありません。
そして希少性は、プラチナ>ゴールド>シルバーとなります。
1Gあたりの価格は、現在の相場(2021年5月)で、ゴールド>プラチナ>シルバーとなります。
特にプラチナとゴールドはシルバーとは比較にならないほど希少性が高いため、素材そのものが非常に高額になります。(1g:5000円オーバーなど)
ちなみにシルバーは、1gあたり40円など数十円あたりが相場です。全く異なりますね。
ここでついてゴールドやプラチナとシルバーのグラム単価を比較して、ゴールドやプラチナにばかり目が行きがちですが、そうなると最適な選び方ができなくなります。
もちろんプラチナやゴールドはシルバーよりも安定していますし、より資産価値が高くなりますから、その点においてはシルバーよりも優れています。
しかしただ高いものを選ぶだけでは、最適とはイコールになりません。とんでもないお金持ちで全て高い方を選べるような場合であれば話は別かもしれませんが、そういうわけにはいきませんよね。費用対効果という項目もあります。
大切なのはこれしか選ばない。ではなく、どれを選ぶか。何が最適か。なのです。
もちろん妥協して貴金属ではないものを選ぶのは本末転倒です。
ゴールド、プラチナ、シルバーという貴金属の中でどれが今回最適なのか。という視点が大切です。
ジュエリーの最適な貴金属素材:用途別
では実際に一般的な用途別にジュエリーの最適な貴金属素材をご紹介しましょう。
今検討していたり、これから検討されるジュエリーや用途にあわせてご参考いただければ幸いです。
婚約指輪や結婚指輪ならプラチナかゴールド
婚約指輪(エンゲージメントリング)や結婚指輪(マリッジリング・ウェディングリング)などのいわゆるブライダルリングであれば、素材はプラチナかゴールドの二択しかありません。
特に日本ではプラチナが非常に選ばれる傾向にあります。婚約指輪や結婚指輪は生涯保有し、使い続けることを前提とした指輪ですので、素材そのものの安定度が非常に重要となります。
もちろんシルバーで婚約指輪や結婚指輪を作ることもできますが、シルバーは年月とともに空気中の酸素と結合したりして硫化(少しずつ黒く変色していく)する性質があるため、向いていません。もちろんシルバーも貴金属なので、改めて綺麗にしたりメンテナンスで美しい状態を保つことは十分に可能なのですが、そもそも生涯持ち続けることを前提とした場合にその手間を前提とする必要性がなくなります。高くなってもずっと愛用し、持ち続けるものなのですから、ゴールドやプラチナで選びましょう。結局ずっと持ち続けることの期間で考えれば、費用対効果は高くなります。
プラチナの方がゴールドよりも安定はしていますが、正直体感であまり大きな差はないと考えて大丈夫です。ただホワイトゴールドはプラチナと同じ色味で選ぶ意味がないので、シルバーカラーであればプラチナを。カラー系で選びたいなら、イエローゴールドやピンクゴールド(ローズゴールド)で選ぶと良いでしょう。
なおゴールドなら、K18(18金:純度75%)。プラチナなら、PT900(純度90%)もしくはPT950(純度95%)で選ぶようにしましょう。各素材について詳しくは下記関連記事もご覧ください。
普段使いのファッションジュエリーならシルバーかゴールド
普段のファッションに取り入れるファッションアクセサリーとしてのジュエリー(ファッションジュエリー)であれば、シルバーかゴールドが基本的な選択肢として最適です。
普段のファッションアクセサリーとしてジュエリーを使うということは、日々身につけることで使用頻度が非常に高くなる可能性があるということになります。
またその一方で、ファッショントレンドやスタイルは常に移り変わっていきますから、そのジュエリーデザインがファッションジュエリーとして最適である状態の期間が非常に短くなる可能性もあります。
つまりファッションアクセサリーとしてのジュエリーには基本的に2つの方向性があり、それぞれに最適なジュエリーの貴金属素材が存在するといえます。
- 今のトレンドや好みに合わせて選ぶジュエリー
- シルバー(SV925)が最適
- 色味はシルバー+K18のゴールドメッキ(コーティング)で
- 長期間トレンドに左右されないデザインで選ぶジュエリー
- K18ゴールドが最適
- K10は安定しないので選ばない
- もしくは最初シルバーで購入してあとからゴールドにリメイク
今のトレンドや好みに合わせて選ぶのなら、入れ替えのしやすさがポイントになります。K18ゴールドなどになるとジュエリーの価格が定価設定で5倍以上になっていきますから、入れ替えしたくても新しいジュエリーを頻度高く購入することが不可能になっていきます。
貴金属の中でもシルバーはグラム単価が非常に安価なので、費用対効果高くジュエリーを入れ替えていくことができます。
例えばジュエリーブランドEIKAだと宝石だけは再活用して、貴金属は下取りして新しいジュエリーへとリメイクし続けられるサービスを展開しているため、新しいファッションスタイルに合わなくなったり、好みでなくなった時などに、すぐに新しいジュエリーへと安価にリフォームしてしまうことができます。
逆にファッショントレンドに左右されない。もしくは自分の好みの移り変わりなどにあまり左右されない、ずっと愛用できるようなデザインのファッションジュエリーの場合には、そのまま長く保有して活用していきたいという方向性になるため、K18ゴールドで購入してしまった方が良いでしょう。ゴールドは硫化現象がほとんどおこらない(とはいえ柔らかすぎる金の硬度を高めるために合金化しているため、メンテナンスしないと変色する可能性はある)ので、メンテナンスも楽です。
またもう一つの方法としては、最初はシルバーで購入し、しばらく愛用してずっとこの状態で使い続けたいと思えるジュエリーだった場合に、ゴールドへとリメイクする方法です。ついゴールドで高い金額で購入したけれど、あまりファッションの一軍に入らなかった。という時の費用面でのリスクをなくしてくれます。ずっと愛用するか分からないなどの場合に有用です。
ただこのリメイクサービスをブランドとして行っているのは、稀有です。(現在私が知る限りでは、EIKAしか存在しません。)
なおファッションジュエリーは現在、華奢なものが主流です。
普段使いするファッションアクセサリーとしてのジュエリーは比較的そのコストの多くが製作人件費であることが多いため、素材費はあまりかかっていないことが多いです。
そのため婚約指輪や結婚指輪は地金消費が激しい(貴金属をたくさん使用する)ため、素材そのものの資産価値が生まれていくのですが、ファッションジュエリーの場合はそうなりにくいのです。
つまりどうせ入らなくなったら買取業者に売ればいいからゴールドで。という考え方だと、意外と現金化したり下取りした時などに魅力的な金額にならないことになりやすいです。
なので基本的にはシルバーが優れた選択肢だといえます。なぜか国内はシルバーに対して昔の印象を持っている方がまだ多いのですが、シルバーは非常に費用対効果に優れた美しい貴金属。
それに今はコーティング技術が進化しており、シルバーでもゴールドコーティングでゴールドと同じイエローやピンクゴールドなどの色味を表現することができるようになっており、さらにメリットが高まりました。
先入観は捨てて、最適な貴金属でジュエリーを選ぼう
いかがでしょうか。先入観は捨てて最適に選ぶことがジュエリーの貴金属にとってはとても大切なことです。
何事にも最適な選択肢とは人それぞれやシーンによって相対的に変化します。選択肢を最大化して、何が最適なのかをしっかりと見極めて選ぶ。
意外とジュエリーにおいてはそういった訴求が少ないこともあり、情報が不足していて何が最適かわからないままジュエリーを購入しているケースが少なくなりと思います。
貴金属と宝石でできるジュエリーは人生を華やかに豊かにしてくれる素晴らしい商品です。しかし本来最適な選択肢を選んでいないと、効果が得づらくなってしまいます。
ぜひあなたにとって最適な貴金属でジュエリーを選びましょう。