婚約指輪(エンゲージメントリング)とは婚約記念品であるプロポーズプレゼント。そしてこれらにおいて現在においても最も人気で選択されている一生物のジュエリー。婚約指輪を選ぶにあたってまず大切なのは、そもそも婚約指輪とはどんなものなのかを知ることです。今もなお世界中で婚約の証として選ばれている婚約指輪について前提となる知識をご紹介します。
目次・CONTENTS
婚約指輪とは
婚約指輪とは、婚約の証として新郎側から贈る「婚約記念品」です。
プロポーズプレゼントというイメージが強いですが、正確には婚約の記念として贈られる婚約記念品というのが正しい意味です。
婚約は結婚をお互いに約束した状態のこと。しかし結婚と違って婚約には書類上の手続きなどは存在しない口約束の状態です。そこで婚約記念品を贈ることで、明確な意思表示と婚約状態であることの証とすることができます。その婚約記念品として最も人気であり、優れていて今もなお世界中で基本的な選択肢として選ばれているのが、「婚約指輪」というわけです。英語では、「ENGAGEMENT RING(エンゲージメントリング)」と呼びます。婚約指輪の概念を要約すると下記となります。
- 婚約記念品として贈られる価値の高いダイヤモンドジュエリー
- 貴金属はゴールドかプラチナが絶対条件
- 鑑定書が付くクラスのダイヤモンドを主役とした指輪形状のもの
- 生涯、世代を超えて保有し続けることを前提とした記念品
- 原則として新郎側から新婦側へ贈るプレゼント
- 新婦の左手の薬指に身に付ける
- 結婚後は結婚指輪と重ね付けなどして活用できる
- 指輪以外の形状で代用も可能
言うなれば、婚約指輪とは「価値の高いダイヤモンドを婚約記念品として贈り、それを指輪という活用しやすい手段で保有し活用していくための指輪」です。
価値の高いダイヤモンドリングとしてのジュエリー
婚約指輪は指輪なら何でも良いというわけではありません。もちろんこれはルールではありませんが、ルールに近いものとなります。婚約指輪は、「価値の高いダイヤモンドを主役としたリング」が基本的前提です。それ以上もそれ以下もありません。
婚約指輪は婚約記念品ですから、例えばオモチャの指輪を婚約記念品としたり、価値をほとんど伴わないファッションジュエリーとしての指輪はその役割を果たすことが無理です。
婚約記念品とは、婚約を記念して贈る生涯の宝物という意味でもありますから、その指輪が生涯保有し活用し続けるに値するものでなくては、その機能を発揮することが困難だからです。
例えばその他のプレゼントや記念品などを想像してみてください。それぞれに最適な品とはその場面にそぐうものでなくては意味がありませんよね。
結婚式のお祝儀などに相場があるのと同じです。結婚式に参加するにあたってお祝儀は一般的な参加者で30,000円(三万円)ほどですが、これはルールではなくマナー。もしあなたが結婚式に招待されご祝儀を3千円で持参したら相手はどう思うでしょうか。ということと同じです。
婚約指輪は婚約記念品ですから、生涯持つに相応しい価値を伴ったものであることは必要不可欠。そのためには価値の高いダイヤモンドを主役とした価値の高いダイヤモンドリングであることが必須なのです。ただこう聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、そういうものであることで、非常に優れた婚約記念品をもたらすことができるということですね。
また婚約指輪に使用する貴金属素材は、「ゴールド(K18・18金)」か「プラチナ」が絶対です。
鑑定書が付くクラスのダイヤモンドが主役であること
「価値の高いダイヤモンドをまとった指輪」といってもふわふわしていてよくわからないと思いますので、深く言及します。価値の高さというのは人それぞれに相対的ですからね。
ジュエリーにおいて価値の高いダイヤモンドをまとった指輪とは、鑑定書が発行されるクラスのダイヤモンドを主役とした指輪のことになります。
世の中にはたくさんのダイヤモンドが発掘され流通され、利用されているわけですが、何も全てが価値の高いダイヤモンドというわけではありません。ダイヤモンド=総じて価値が高いという訳ではないのです。この点はよく誤解されています。
時計といっても高級時計もあれば、カジュアルな時計もあるように。ジュエリーにおいても高級なジュエリーからカジュアルなファッションスタイルに合わせていくジュエリーも存在しますし、そもそもジュエリーには使えない価値の低い工業用ダイヤモンドもたくさん存在します。
価値の高いダイヤモンドとは、「鑑定士が念入りに鑑定士、鑑定書を発行するに値するダイヤモンド」のことと認識しておけば大丈夫です。
例えばこの写真のリングはファッションジュエリーで、メレダイヤモンドと呼ばれる小粒の造形用のダイヤモンドが採用されています。これらには鑑定書を発行することができません。正確には鑑定して発行はできますが、鑑定して発行するコストの方が価値を上回ってしまうため、鑑定書をつける意味メリットが誰にもないのです。こういったジュエリーにはブランドの保証書などで本物のダイヤモンドかどうかが記載されるくらいです。
続いてこちらは婚約指輪として利用できる価値の高い鑑定書付きのダイヤモンドが主役としてセットされているダイヤモンドリング。見た目が明らかに違いますね。基本的には、一石で0.2カラット以上で美しいダイヤモンドには鑑定書を発行するメリットが上回ります。一石だけで高い価値を持つからです。
これらのように鑑定書がついていないダイヤモンドリングは前提として婚約指輪と呼ぶことができなくなる原則となります。
婚約指輪としてダイヤモンドを選ぶなら原則として、「0.3カラット以上で美しい価値の高いダイヤモンドをまとっていること」を条件としましょう。
生涯の宝物である、世代を超えて残していける指輪である
価値の高いダイヤモンドジュエリーとしてのダイヤモンドリングが婚約指輪ですから、生涯の宝物となります。そしてダイヤモンドジュエリーは劣化しないですし、なくなることもなく、その金銭的価値もずっと保持し続けますから、ずっと保有することのメリットしかありません。世代を超えて子孫へと継承していくことがそのままで簡単にできます。
当然ですが、価値の高い婚約指輪は最終的な保険にもなり得ます。一昔前では婚約指輪を持っておくことで例えば金銭で困った時にも最悪の保険的価値になるとして考えられていたこともあるくらいです。(現在においても同様かもしれません)
これが同じダイヤモンドジュエリーで物自体は残していけるものでも、価値がそれに伴っていなものであれば残し続けておく、継承していくメリットというのは損なわれやすくなります。
婚約指輪は、原則として左手の薬指に身に着ける
婚約指輪は新婦の左手の薬指に身につけます。結婚指輪と一緒です。
左手の薬指は心臓に最も近い指ですから、心の誓いを表す婚約指輪や結婚指輪は左手の薬指に身に着けるようになりました。今もそれは変わりませんし、今後も変わらないでしょう。
結婚後(結婚指輪を獲得したあと)は、常時結婚指輪をお互いの左手の薬指に身につけ、婚約指輪はオシャレをして出かける時などにその上から重ね付けして身に着けることができます。これを重ね付けといいます。(写真のイメージです)結婚指輪があるから意味ないじゃないかと時々誤解されますが、婚約指輪と結婚指輪は全くの別物。そして重ね付けをすることで完成していくものです。
結婚後ほど活躍の機会が増えるのが婚約指輪
婚約指輪は結婚後に活躍の機会がないから・・・という誤解されたイメージを時々聞きますが、これは間違いです。婚約指輪はむしろ結婚後ほど活躍の機会が増えていきます。
そもそも婚約指輪とは結婚指輪とは全く異なる指輪。例えるなら男性にとっての高級時計のようなものです。女性なら一つは持っておきたい価値の高いジュエリーなのです。それを婚約記念品として贈ることのメリットがお互いにとっても相手にとっても高いから選ばれているというのが実際です。
先にご紹介した通り、結婚指輪を身につけた後は婚約指輪はその上から重ね付けすることが可能なので、結婚指輪があるからといって身につけなくなるわけではありません。(結婚指輪はあくまで誓いのペアリングです)
年齢を重ねるほど、上等なジュエリーというのは活躍の機会を増やしていくもの。大人の女性になればなるほどジュエリーというのは素晴らしい装身具となっていきます。
結婚式などに参加する時、パーティーに参加する時、大人の装いでオシャレして出かける時など婚約指輪を活用する、活用したい機会はどんどんと増えていきますので、安心してください。
指輪以外でも代用は可能
婚約指輪は指輪以外のアイテムでも代用は可能です。例えば最近だと「婚約ネックレス」というのも人気が出てきています。婚約指輪の目的はあくまで「価値の高いダイヤモンドを贈り、それを身に着ける手段」ですので、形はネックレスやブレスレットなど他の形状のジュエリーでも役割は果たしてくれます。
ただ指輪が最も人気なのは、やはり指に身に着けると映えるから。胸元という広範囲の部位に身に着けるネックレスは指輪よりも主張性が低くなります。指輪はよりダイヤモンドを目立たせてくれるため、機能としては優秀なんですね。よほどの理由がなければ基本は指輪が良いでしょう。
別の記事で詳しくご紹介したいとは思いますが、ジュエリーはリメイクすることができるので、最初は指輪、追ってネックレスにしたりといった選択肢もあります。